人間国宝 香取正彦 製作の金塗大黒天像を店頭にて販売中です
梵鐘(寺院の釣鐘)製作の範疇にて人間国宝となられた鋳金工芸作家、香取正彦(1899~1988)の作品、小さな大黒天像をご紹介致します。
高さは9センチほどで、表面は金色の、目出度くも愛くるしい存在感が際立つ一体となっております。
大黒天はご承知のように七福神の古参のひとりであり、インドのヒンドゥー教におけますシヴァ神の化身であるマハーカーラ神が、本邦にて古来の大国主神と習合したものだとされます。なお恵比寿がよく隣りに仲良く並んでいることが多いですが、どうやら大国主の息子だとされる縁起からかと思われます。
両米俵に乗った福々しい小太りのなり、垂れ下がった目尻と顎に蓄えた髭、右手で振りかざす小槌+背負い袋といった定型的なモチーフはここでも健在。この省スペース・サイズでしたらPCデスクの脇にでも鎮座させまして、次年・新年の招福、コロナ退散を祈願し御利益に与りたくなるところであります。
作者に戻りまして人となりに触れますと、30歳代で既に帝展無鑑査の地位、称号を勝ち得ておりまして、鋳物工芸分野で相当に高度な手腕、才能を発揮されたものと拝察します。なお梵鐘に傾注したのは戦後からとのことで、発端は戦時下に供出(没収、徴発)された文化財の修理・保護であったのかもしれませんが、後半生の専業、天職となり、制作した釣鐘(広島平和の鐘など)は100点を超えるという、偉大な工芸家であります。
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