神田喜一郎監修 書迹名品集成 全10巻14冊揃 (1981年同朋舎刊) をヤフオク!出品中です
4世紀に書を芸術足らしめた東晋の「書聖」王羲之から始まって、明代末に型に嵌らない天真爛漫な行書を披歴した董其昌まで、唐代を中心に中国書道の流れを碑文や法帖を集め纏め上げた、『書迹名品集成』全10巻14冊揃 (1981年同朋舎刊) をただいまヤフオク!に出品いたしております。
上下2帙の構成となり、全10巻14冊揃いの重厚な古書です。監修の神田喜一郎は京都帝大卒で台北帝国大学や大谷大学の教授および京都国立博物館館長を歴任された東洋学者、書誌学者。各巻には別途専門研究者による解説、読み下し等が巻末にあります。
管見ですが往時の中国の書家たちというのは、詩歌や画を始めとした他の芸術分野でも名を成していたり、また科挙に合格した高級官僚であったり権力争いに奔走する政治家であったりと、書の道一筋というのがむしろ少なくて、当時の才能・才覚に溢れた上層エリートであった印象が強いです。そんな中でも、上掲画像中右手下の力強い意志と迫力を発散している、8世紀は盛唐期の軍人・政治家でもあった顔真卿による楷書にはとりわけ圧倒され唸らされています。唐の忠臣で反乱鎮定に失敗し捕殺された顔真卿の情熱と忠義が迸るようです。当方は書道には疎い身であり、それに古書自体としてまだ若くまた市場に出回る頻度も高いようなのですが、大いに感じ入るところがあったのでブログに認めてみた次第です。
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