柳海剛作・高麗青磁『飛翔鶴図花瓶』をヤフオクにて出品中です。
高麗青磁は、表面に見られる細かなヒビが特徴ですが、これは絵柄をはっきりと見せるために、釉を極限まで薄く掛けているそうです。
青磁に使用される釉はもともと脆いので、薄く掛けて焼き上げると、どうしてもヒビが生まれますが、逆に釉の透明度が上がり、凝った模様を美しく引き出すことができるのだそう。
西暦918~1392年の高麗時代は、朝鮮半島で本格的に磁器が焼かれるようになりました。
磁器のなかでも青みがかった色の釉が使われる「青磁」を中心に進歩を遂げ、やがて「高麗青磁」と呼ばれるようになりました。
深い青みを帯びた美しい高麗青磁は「翡色」と言われ、翡翠(カワセミ)の羽の青みに例えられた他にはない色合いを表現しています。
「陶磁器の世界最高峰」と呼ばれる名品が数多く作られた高麗青磁ですが、13世紀以降にモンゴルが勢力を増し、高麗王朝の衰退とともに高麗青磁も姿を消してゆきました。
20世紀になり、失われていた高麗青磁の製造技術を復活させたのが韓国の陶芸家の柳海剛です。
柳海剛は1894年にソウルで生まれました。17歳の時に目にした高麗青磁の美しさに心を奪われ陶芸家を目指し、その後、高麗時代に栄えた青磁の再現に生涯力を注ぎました。
そして、高麗青磁特有の花鳥や草木をモチーフにした文様を駆使した花瓶、壺、皿、香炉、酒器などの制作に励み、1928年に日本の別府市博覧会に出品した青磁が
金牌賞を受賞したことで、日本でも広く知られるよになり世界的に活躍する陶芸家となります。1988年には、韓国の人間国宝に相当する京畿道無形文化財第3号に認定されました。
1993年99歳で亡くなりますが、その息子も「二代目 柳海剛」として、高麗青磁を制作しています。
ヤフオク出品中の柳海剛の『飛翔鶴図花瓶』は1月30日(日)21時頃出品終了予定です。