幸埜 [幸野] 楳嶺画 千種之花 全4巻揃い (明治22~24年刊行) を練馬区にて買い取り致しました
江戸時代末期から明治期はじめに活躍し、最晩年には帝室技芸員にもなられた日本画家、幸埜 [幸野] 楳嶺(1844~1895)の画になる、草木植物の花々ばかり計200点を掲載します画集・画帖、『千種之花』を全4巻揃いにて買い取りさせていただいております。
貴重な初版であると思われ(巻2にも奥付があるのが奇妙ではありますが、当局への届け出の後、何らかの指導があってそれを承け増訂版として初めて世に出された経緯が窺われる)、どうやら木版画である可能性が高いようで、約130年前に発行されたものとしては総じて状態はかなり良いように思われます。非感情的で理知的な構成を成し、簡潔かつ直截に、単体(一輪、一房あるいは一枝)での姿を無背景で描き切った、花各々の本質・核心を射抜いたような見事な作画が、最低限に抑えられた解説文と共に、4冊に亘って連綿、淡々と繰り広げられておりまして、息をつくのも忘れて思わず一挙に全ページをデジカメに収めてしまいました。
彼自身は、丸山派と四条派の影響を色濃く受けて伝統日本画の本流を受け継いだといえましょうか。また一般的には二宮尊徳の図像で認知され、その延長ともなりますか教育・後進育成の面での貢献度・評価が高いとのことです。なお一説によるとこの画帖、図鑑は、彼のお弟子・門下生たちの為に出された一種の美術参考書であると看做されることもあるよう。されども手前は目下この花の画は、「四季草花図屏風」(岐阜県美術館所蔵)と何かの関連があるのでは(下絵になった?)などと想像、妄想を拡げたりしておるところです。
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