江戸切子作家 黒川昭男のロックグラスをヤフオク!出品中です
十代(中学卒業後即)から江戸切子硝子作品制作の道一筋であった、東京都伝統工芸士の切子作家 黒川昭男(1941~2019)の手によります見事なロックグラスをただいまヤフオク!に出品いたしております。
地の色は、涼しげなグリーンというか青緑、ピーコックグリーンかターコイズブルーといったところでしょうか。表面に被せられるように縦横に走る透明な直線と曲線、それに八角篭目や魚子といった模様が入り混じった、とても深いカットが、光の反射・屈折により非常に複雑多様なグラスの表情を作り出します。幾何学模様と曲線の織り成す大胆なカットは、まさに江戸切子の最高技術者の技の結晶といえましょう、クールな出で立ちのですが作家、職人の情熱と熱気が発せられているよう。あまりの美しさの前では、別のグラスで一杯、一献傾けつつ、この美麗なる一客を肴代わりに愛でるというのが乙だと申すべきかもしれません。
集団就職で名人といわれた小林菊一郎に弟子入りしてから幾年月、ひたすら切子の制作における技術の深化と独創性の追求に邁進された黒川氏ですが惜しくも2019年5月に既に世を去られていたとのこと。もうこのような大胆かつ自由で鮮やかな煌きを誇る切子にはお目にかかれなくなってしまうのでしょうか、独立してご自身の開いた黒川硝子工芸(1993~)の後進の奮闘に期待したいところです。
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