浦上正則『Diamantina』(1973) 肉筆油彩画 をヤフオク!に出品中です
1918年ハワイ生まれ(2004年没)で、日本国内よりもむしろブラジルやフランス、イタリアで大きくはばたき活躍なさった、芸術院賞受賞の浦上正則の描いた、ブラジルの都市風景の油彩画です。所謂「ダ・ヴィンチ画法」を継承・発展させたといいますが、本作にはキュビズムや抽象絵画全般への傾斜が顕在化しているように思われます。
パリで藤田嗣治の下で学び、ユトリロのアトリエを間借りしたり、ピカソとも交流があったりと、多彩な人脈・交流が伝えられます。掲げました本作が描かれた1970年前後にはブラジルで活動されていたようでして、同国の最高裁判所の壁画を任されるまでであったといいます(1972年にブラジル平和勲章受賞)。
限られた情報から窺われますのは、そのブラジル滞在中に絵のスタイルがかなり変貌した模様。本作以前にはもっと素直な写実性寄りで明るめの絵を描かれていた節があります。何か大きな心象面での変化、衝撃がおありだったのでしょうか?
日本国内では、政治家・皇室の方面からの寵愛をお受けになられていたそうですが、海外程の華々しさは感じられず、晩年はハワイに戻り後進の指導に当たられたというように、そのスケールの大きさ故に狭い小さな日本には収まり切れなかった、奔放で豪放磊落な人物像が浮かんでしまいます。
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