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東京西荻窪アンティーク道具屋慈光の日々

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遠刈田系 朝倉英次 作のこけしをヤフオク!に出品中です

朝倉英次こけし6本@ヤフオク!
お盆休み明け後の弊社ヤフオク!新規出品を再開いたしました。その第一弾のなかから、朝倉 [旧姓佐藤] 英次(1911~1973)のこけし6本一括出品をご紹介申し上げます。

13歳頃からの作品があるとのことで、こけし作者として早期に若くして認知されていた英次ですが、そのこけし作品は稀少で、実際にはなかなかお目にかかれないらしい、半ば幻の工人となっているそうです。

その背景、理由としては、昭和8年に上京して別業に就いた、敗戦までに3度の応召・従軍があった、戦後は遠刈田⇒仙台に於いて木地業に戻るも職人の指導や下木地製作に従事していた、等が窺われます。結局、自立したこけし工人としての活動は、戦前の10年余りと、昭和30~41年頃(こけしブームに便乗する形で再参入するも、病により休業へ)の二期間にほぼ限られていたということになります。

今回出品の6本はいずれも戦後、「下期」の作になろうかと思われます。若干風合い・趣きの異なります掲載写真右端の一本(昭和40年の銘入り)を除いた5本はおそらく同時期(1963 [昭和38] 年)に、まとめて製作されたのではないでしょうか。さて、これらはどれも、彼の戦後・晩年の作風~眉と瞼がつり上がり気味の、鋭角的な表情が特徴とされた~からはかけ離れて、比較的穏やか、安寧さを湛えているように映ります。あれこれと見比べての私見ではありますが、彼自身の昭和初期型を(どなたかからの要望にお応えして?)復元・再現したものなのではなかろうかと想像いたしておる次第です。

褪色が目立ち状態には難がありますけれども熱心なこけし蒐集家のお眼鏡に適いますれば幸いであります。こんな工人歴、経緯を辿った朝倉英次ですから、もしも戦前の作品であったなら相当な入札数・額が見込まれるのかもしれませんね。

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