中野区にて 十三代今右衛門作 色鍋島緑地唐花文 水指 を買い取り致しました
伊万里焼と並び称される佐賀の鍋島焼、この伝統を明治維新直後の混乱期に途絶えるのを阻止し再興させ更に現代的に深化させているのが歴代の今泉今右衛門となります。その十三代(1926~2001)の制作した水指(水差し)を買い取らせていただいております。
1989年に人間国宝に認定され、パリなど海外でも個展が催されるなど世界的にも認知された十三代は、染付吹墨と薄墨吹墨の技法を確立したことで知られ高く評価されております。それと共に、本作品でも窺われますように、自身の嗜好でもあった中東趣味を奥床しく図案・文様に取り入れている点が特筆されましょう。青の染付(文様)と上絵の緑、それ以外は僅かに白抜き部分(これが『墨はじき』によるものとなりましょうか)が覗くだけで、緑地技法が蓋と本体の全面に遺憾なく発揮されており、引き締まった洗練と高級感の満ちた器となっております。
和を代表する高級色絵磁器としての伝統と誇りは現十四代(1962~ こちらも人間国宝)が維持・継承、先代である亡き父の極めた技法に新たに「プラチナ彩」という自らの上絵技法を組み込むなど革新的でもあり、鍋島としての歴史・伝統との調和を図りながら焼物に於けます美の追求に余念が無いようです。
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