中仙窯 中尾恭純 作成の白磁 香炉を販売いたしております
目にも鮮やかな純白なる飾り気を排した、薄皿の蓋付き白磁香炉です。
父祖から受け継ぐ有田は中仙窯で作陶を続け、二十代の半ばから数多の受賞歴がおありで、佐賀の陶芸界でその名を知られる、中尾恭純が、平成10年代後半ごろに製作したと推定される香炉になります。上端に細長く鋭く突き出た蓋の持ち手部分が非常に目立ち独特です。受けが浅いのも相俟って、どことなしに宇宙的なイメージが漂う形状で、和ものとしては異端的な印象も湧きます。
恭純氏の本分は彩色あるいは点刻による色鮮やかな象嵌を施した白磁にありとも伺いますが、本作は見事に真っ白。師匠である人間国宝 井上萬二の下での修行以来の根本、原点に立ち返った一作ということなのかもしれません。
共に窯を営む弟さん英純氏は幾何学模様を多用した「和紙染」の技法を追求、ご子息(長男)の純氏は父の作風・技法に拘泥・追随はせずに、白・青磁の純粋さを極めるべく色彩ではなくてヘラ加工による造形面に工夫を凝らし磁器の新生面を拓こうとなさっておられ(2016年に西部伝統工芸展の大賞~父は金賞を頂いている~を獲得され、将来を嘱望される)、まさに工芸、陶芸、磁器一家・一族。ふと本作には息子さんからの逆影響もあったのかもなどと想像を広げてしまいます。
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