関野準一郎『四日市(コンビナート夜景) 東海道五十三次44』を、店頭にて販売しております。
関野準一郎(1914~1988)青森県青森市に生まれ、旧制青森中学校在学中に、級友たちの版画同人誌に参加し、木版画制作を始めます。
青森市に住んでいた銅版画家、今純三から木版画に加え、銅版、石版の技法を学び、18歳で日本版画協会展に初入選し、画家として身を立てることを決意します。
1939年25歳で上京し、創作版画の中心的存在だった恩地孝四郎の門を叩き、山口源とともに、恩地のもとで版画研究会「一木会」を発足させます。
1958年、アメリカの日米交流団体、ジャパン・ソサエティの招きでアメリカ各地を訪問し、帰路はヨーロッパ各国を旅行して見聞を広げました。
この一年間に渡る海外の経験は日本の風景を見直す契機となり、帰国後はそれまで銅版画で行っていた風景画制作を木版画でも手掛けるようになり、
色彩も明るく鮮やかなものとなりました。関野はこの欧米訪問を契機として、東海道をはじめとする街道シリーズを制作することを決意し、
1960年から1974年までライフワークとして「東海道五十三次」の制作に取り組みました。
こちらの作品『四日市(コンビナート夜景) 東海道五十三次44』は、三原色の光が港に映り込み、斬新で巧みな画面構成です表現されています。
抽象表現が主流となっていた当時、関野は具体的な主題を描いているだけで時代遅れと決めつけるような風習に違和感を抱いていたとのことですが、
この作品の中にも関野の様々な模索を重ねていたことがうかがえます。
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