志村一男の油絵『静物』を販売しております
長野県諏訪市出身の在野の画家であった志村一男の油彩画『静物』を店頭にて販売いたしております。
幼少時に岸田劉生の絵を見て画家を志したという彼ですが、直に師事した中川一政からの影響が強く感ぜられ、写実主義、リアリズムからはむしろ離れて、印象派的と思える画風、すなわち厚塗りであり筆致が無骨、がさつとまでは言わぬも荒々しく、総じて謹厳と実直さを身上として終生一貫していたようです。
後半生は東京(武蔵野界隈?)に住まい、故郷と行き来しつつ、身の回りの食品や器を題材とした静物画、多摩川の河原や八ヶ岳山麓の田園風景を描き続けたといいます。
反主流的な春陽会(反院展; 1922年の創設メンバーに名を連ねた劉生は後に離脱)と、非公募展を催す写実画壇(実際の自らの作品傾向にはそぐわない気がするが)、これら両団体の会員であった志村は、ネームバリューを徒に追い求めるような性格ではなかったのでしょう。
なお生憎コロナ禍の中ではありますが、生地の地元諏訪にある諏訪市美術館に於いて現在、特集展示が『志村 一男展 -心象で見る風景-』(~8月2日)と銘打って催されていることを偶々知り、今回ご紹介させて頂く運びと相成りました。
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