濱田台兒のリトグラフ『八重桜』を店頭販売中です
贅沢に金彩の施された背景にひと振りの八重桜の枝のみが描かれますリトグラフ作品です。原画は、鳥取県出身の日本画家、濱田台兒(1916~2010)によるものです。
ソメイヨシノの開花は既にどんどんと北上、それと入れ替わるように咲き誇るのが八重桜たちです。今日の日本のソメイヨシノはすべて遺伝子が一緒の「クローン桜」だといわれますが、こちら八重桜は種類が思いのほかに豊富、白い花を咲かせるもののみならず、黄や緑色の花を付けるものまであります。本作で描かれたのは、花びらの色・サイズおよび葉の大きさと色などから、フゲンゾウかマツマエハヤザキあたりではなかろうかと推定してみましたが如何?
さて濱田台兒は19歳で伊東深水の門を叩き師事、確かに構図や配色に影響が少なからず感じられますが、ただ師は台兒氏ほど花鳥画を専らとしていた印象には乏しく、むしろもう一人の師匠であった橋本明治(文化勲章受章、日展理事)が幾度も桜を描いておりましたしこちらに感化された面が強いかもなどと想像を巡らせております。影を排し翳りも漂わせない唯物・即物的な表現手法は、近世以来の日本絵画の伝統に即したものといえましょうか。
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