井堂雅夫 作『東京駅』をヤフオクにて出品しております。
1945年、満州で生まれた井堂雅夫は、戦後混乱の中、両親の実家である京都に引き揚げ、その後、父親が岩手県に職を得たことで、岩手へ移り住むことになりました。
日本の戦後の歩みは終戦の年に生まれた井堂の歩みにも重なっています。井堂は、盛岡の大自然の中でのびのびと育ちました。しかし、両親の離別により、15歳の時に
京都の母方の実家に引き取られました。一時は電気関係の仕事に就きますが、もの創りの盛んな京都で、多くの人たちが伝統産業に従事していることを知ると、小さい
頃から絵を描くことが好きだった井堂は、祖父のつてを頼って染織作家の元に内弟子となりました。この時の決断が井堂のその後の進む道の大きな分かれ道となりまし
た。20歳で染色職人として独立し、生活のため帯やきものを染める仕事をしつつ本格的に創作活動を開始し公募展などにも出品を始めました。
木版画家・斎藤清の作品との出会いにより、木版画の世界にのめり込んでいきます。その頃、昼は十人ほどの職人たちとともに染色工房で帯やきものを制作し、夜は版
画のための下絵制作を続け、念願の制作工房と木版画普及の拠点となる画廊を開き、もの創りに力を尽くしていきました。その後、70歳で亡くなるまで、染料で絹地に
絵付けを施したり、アクリル画を制作するなど画家としても多くの作品を残しています。
こちらの作品は、東京のシンボルでもあるレンガ造りの駅を背景に、雪で覆われた景色は、美しく、郷愁を感じさせます。
いくつもの工程を経て作らた木版画の技法により、色の深みがあるのも、染色作家としての経験が存分に生かされているのではないかと思われます。
只今ヤフオクにて出品中です。
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