大変ありがたい一品のご紹介です。
竜燈鬼立像です。
恐ろしい形相でにらみつける表情ですが、どこかユーモラスさもあり、親しみがわきます。
竜燈鬼の、ちからのみなぎるような筋肉の表現や、灯篭部分のつくりの細やかさ、総じて全体のバランスのすばらしさ。間違いなく名品です。
竜燈鬼の顔など各所には、本来着色されていた朱色や青などが残っていて、時代がかる前の、往時の鮮明な姿も想起され、また趣深いです。
こちらの竜燈鬼は青銅製、江戸期のようです。
竜燈鬼立像は一般には、興福寺のものが国宝として有名です。
慈光にあるものは、興福寺にあった竜燈鬼に倣って、江戸期に作られたものだと思われます。興福寺の竜燈鬼とは、意匠や材質はまったく異なります。
興福寺の「竜燈鬼立像」は鎌倉時代のもので、おなじく国宝の「天燈鬼立像」とセットで存在しています。
もしかしたら慈光にある竜燈鬼も本来は、天燈鬼とセットだったのかもしれません。
竜燈鬼と天燈鬼の図像的背景については、不明な点も多いようで、どうして鬼が燈を抱えている姿になったのか、その詳しいいきさつは分かっていないようです。
慈光の竜燈鬼は像高もあり、貴重な品物なので万が一を考えて、静かに店内の角に固定、安置されています。
こちらは道具屋慈光・本店で展示販売中です!
その特異な造型や、畏怖と同時に親しみも感じるすばらしい竜燈鬼のお顔をぜひご覧いただければと思います!
ご来店お待ちしております!
参考:「興福寺天燈鬼・竜燈鬼像について」
http://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/DB/0039/DB00390R063.pdf
「竜燈鬼立像」のお問い合わせ先
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道具屋慈光
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