百足の図柄が刻み込まれた刀鍔を店頭にて販売いたしております
日本刀、打刀を構成します部品、握る手を守る機能というよりもいっそ彩り、装飾性の面に注目がなされます、刀鍔の商品紹介です。
他にも数点が現在店頭に並んでおりますが、この金ムカデが表裏に複数描かれたものが特に目を惹きます。
なぜ選りによって気色悪い百足なんぞを武士たちは己が魂である大切な刀に態々纏わせたのかと訝しがる向きもありましょう。生き物としてのその獰猛さやひたすらな前進性(後退しない・できない)、さらには多産ぶりといった特質にあやかり、戦国時代に武装や旗指物に百足の絵柄をあしらったのが起源であろうと云われています。
武士、戦国とむかでといえば、甲斐武田の百足衆(金掘り衆あるいは地下掘削工兵部隊)が思い起こされます。次いで下っては、相馬野馬追において、「下がりムカデ」の旗が軍師の指物に用いられ続けているように、会津、福島の武士社会でも好まれたモチーフであったようです。
かくして当刀鍔は、製造年代こそ不詳ながら、上の武田系、福島系のいずれかに連なるものではなかろうかと想像しますが(後者が有力?)いかがなものでありましょう。
おそらく鉄製で重さは110gほど、楕円形の長径は約7.2cmで、鑑賞するにとどまらずコースターに用いてもちょうどよろしいかもというサイジング、さすがにTPOと器は選ぶ(当世流の結露しない真空二重構造のステンレスカップが相応?)でしょうけれども。尤も昆虫食が広まりを見せている現代であればさして抵抗を覚えぬという方も多いかもしれません。
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