日本画家 池田遙邨のリトグラフ『芒原』を販売しております
岡山県出身で文化勲章を授かった日本画家 池田遙邨(1895~1988年)のそこはかとなくユーモラスな作品『芒原(すすきがはら)』のリトグラフを店内にて販売いたしております。
大小狐7匹が、荒涼たるススキの野原を挟んで、こちら側にいる(筈の)観察中の人間どもに何かちょっかい加えてやろうかとでも謀議中なんでありましょうか、作者遙邨の自然愛が滲み出ている作品だと申せるかもしれません。
洋画を学び若干十八歳にて文展で自作が入選しすわ天才少年画家が現れたと世を沸かせた遙邨でしたが、早咲き、早熟の芸術家の先には往々にして壁が立ちはだかるものでして、程なくして日本画に転向、関東大震災の被害惨状を描いたムンク風の作品が帝展で認められず落選、といったように、やはり苦悩や挫折から無縁では済まなかったようです。
それでも持ち前の才能は確かで研鑽を重ねると、1928・30年の帝展で特選を得、一線級の画家のひとりとして名を連ね、以後画壇で活躍することとなりました。
終生旅と自然を愛し、東海道五十三次を3回も踏破(歌川広重に倣ったスケッチ旅行の成果が、1931年完成の『昭和東海道五十三次』)、晩年には心酔する種田山頭火の俳句をモチーフに画作をしたり山頭火の姿で旅をしたといいます。そして名誉市民となった故郷倉敷市に自らの日本画・素描を大量に寄贈し逝去されている身の処し方には感服します。
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