杉並区で小林敬生の 「星の時間-そして朝」の絵画をお買い取りさせて頂きました。
小林敬生は、木口木版画(こぐちもくはんが)で日本を代表する作家です。1944年 島根県生まれ。日本、海外で数々の賞を受賞し、2006年に、紫綬勲章を受章しました。
木口木版は西洋木版とも呼ばれ、18世紀末にイギリスのビウイックが発明し、19世紀中頃からは書籍の挿絵として頻繁に使われ、1880年代に写真がそのまま印刷される方法が開発されるまで多く制作されました。この頃活躍したのがG・ドレであり、ドレの原画は高い技術を持つ彫り師たちによって巧みに彫り出されるようになり芸術として認められるようになりました。写真に役割を譲った後も、この緻密な表現は現代の版画家たちによって高められました。
凸版に分類される木版で、一般的な木版(板目木版)とは大きく異なり、柘植、椿、梨、楓など非常に目の詰んだ木を用い緻密な表現効果は銅版画に近く西洋木版とも呼ばれます。
小林敬生は木口木版の可能性に挑みました。極薄で半透明の雁皮紙(和紙)に、木口木版で作成した精密な複数の版木を組み合わせた、空間表現。「鏡貼り」の手法等を駆使することにより、書籍の挿絵や絵本の印刷に用いられていた「木口木版」の作品の大型化を実現するなど様々な表現法を取り入れました。
こちらは、 「星の時間-そして朝」と題した1997年の作品です。1/20で状態も良いです。自然や動物をモチーフにしています。非常に遠近感があり、大胆な構図の中に、一ミリに達しない線が無数に描かれております。「神は細部に宿る」といった言葉が当てはまる作品ですね。
小林敬生
略歴
・1994年 島根県に生まれる。
・1988年 昭和62年度優秀美術作品として文化庁買上げ。
・1978年 より版画大賞展、版画グランプリ展などで優秀賞受賞。
・1982年 ソウル国 際ミニチュア版画ビエンナーレ展グランプリ。
・1989、91、93年 和歌山県版画ビエンナーレ展優秀賞。
・1991年 大阪国際版画トリエンナーレ展特別賞。
・1993年 高知国際版画トリエンナーレ展大賞。
・1997年 大阪トリエンナーレ版画・銀賞他、国際展に多数出品。
・国立東京近代美術館、大英博物館、
ニュージーランド近代美術館など内外に32作品収蔵。
・現在、日本版画協会理事、多摩美術大学教授。
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